幽霊姫は止まれない!
相変わらず私に甘い兄に小さく吹き出すと、兄も一緒に笑ってくれる。しばらくそうやって楽しい時間を過ごしたあお、兄がくるりとオスキャルの方へ向いた。
「こいつの名前は犬でいいんじゃないか? キャンキャン喚くしかできないようだからな」
「ちょ、ちょっとお兄様!? 空耳!?」
穏やかで紳士的で甘い兄からあり得ない毒が聞こえて愕然とするが、驚いた私の声を聞いた兄がこちらを振り返ると、いつも通りの穏やかな笑顔を浮かべており戸惑う。
(やっぱり今の、聞き間違いよね?)
ごくりと唾を呑み、兄の次の言葉を待っていると、ゆったりとどこか優雅さを滲ませながら再び兄が口を開いた。
「あはは。エヴァ、どうかしたのかな。僕はただオスキャルがいつも可愛く吠えているようだから『イーヌ』なんてどうかなと言っただけだよ」
「あら。やっぱりさっきのは空耳だったのね。よかったわ!」
「全然暴言変わってませんけどォ!?」
「うふふ、お兄様が暴言なんて言うはずないものね」
「あぁ。もちろんだよエヴァ」
「だから暴言吐かれてますけどぉ!?」
「こいつの名前は犬でいいんじゃないか? キャンキャン喚くしかできないようだからな」
「ちょ、ちょっとお兄様!? 空耳!?」
穏やかで紳士的で甘い兄からあり得ない毒が聞こえて愕然とするが、驚いた私の声を聞いた兄がこちらを振り返ると、いつも通りの穏やかな笑顔を浮かべており戸惑う。
(やっぱり今の、聞き間違いよね?)
ごくりと唾を呑み、兄の次の言葉を待っていると、ゆったりとどこか優雅さを滲ませながら再び兄が口を開いた。
「あはは。エヴァ、どうかしたのかな。僕はただオスキャルがいつも可愛く吠えているようだから『イーヌ』なんてどうかなと言っただけだよ」
「あら。やっぱりさっきのは空耳だったのね。よかったわ!」
「全然暴言変わってませんけどォ!?」
「うふふ、お兄様が暴言なんて言うはずないものね」
「あぁ。もちろんだよエヴァ」
「だから暴言吐かれてますけどぉ!?」