幽霊姫は止まれない!
そもそも執務をこなすのは王族だけではない。
何かしらの訴えをし謁見を申し出る貴族はもちろん、執務をサポートしてくれる側近だって執務室にいなくてはならない。
国務とは王ひとりがいれば全て回るものでも当然なく、それらを円滑に回すには当然たくさんの人たちの協力がいるのは明白だ。
そのための執務室が王族しか踏み入れないプライベート区画にないのは当然なのである。
(とはいえ、こんなに令嬢たちが多いとは)
もちろん令嬢たちがこんなにここに多いのは、王太子である兄を一目でも見たいからというのがあるのだろう。そりゃそうだ、聖女が出現したことはまだ秘匿にされているし、当然兄との結婚話が浮上していることも秘匿になっている。
婚約者のいない王太子、しかもにこやかで穏やかで見目もいいのだ。令嬢たちが放っておくはずもない。
もしどこかのタイミングでお近づきになれたら。もし王太子に見初められたら。
そんな夢物語に憧れる令嬢がいても何ひとつおかしくはないのである。
だが、それとは別に以外に思うことがあった。
「きゃあっ! 今日は新しい護衛の方を連れられているわ!」
何かしらの訴えをし謁見を申し出る貴族はもちろん、執務をサポートしてくれる側近だって執務室にいなくてはならない。
国務とは王ひとりがいれば全て回るものでも当然なく、それらを円滑に回すには当然たくさんの人たちの協力がいるのは明白だ。
そのための執務室が王族しか踏み入れないプライベート区画にないのは当然なのである。
(とはいえ、こんなに令嬢たちが多いとは)
もちろん令嬢たちがこんなにここに多いのは、王太子である兄を一目でも見たいからというのがあるのだろう。そりゃそうだ、聖女が出現したことはまだ秘匿にされているし、当然兄との結婚話が浮上していることも秘匿になっている。
婚約者のいない王太子、しかもにこやかで穏やかで見目もいいのだ。令嬢たちが放っておくはずもない。
もしどこかのタイミングでお近づきになれたら。もし王太子に見初められたら。
そんな夢物語に憧れる令嬢がいても何ひとつおかしくはないのである。
だが、それとは別に以外に思うことがあった。
「きゃあっ! 今日は新しい護衛の方を連れられているわ!」