幽霊姫は止まれない!
第四十八話 ねぇ、詳しいのは、なんで?
オスキャルの説明を聞きながら、なるほど、と頷く。つまり獲物かどうかは別として、吸血鬼という〝コンセプト〟を楽しみながら夜を過ごせるということらしい。が。
「相変わらず詳しすぎない?」
「ですから! エヴァ様が! 行くって言うから調べただけですッ」
「はいはい。さ、今から私はヴァル、オスキャルはオリバーだからね」
「信じて下さいエヴァ様ぁっ」
「だからヴァルだってば!」
再び取り乱すオスキャルの背中を無理やり押し、その夜闇の館へと入る。
怪しい名前とは想像もできないほどその館内はちゃんとしており、汚れなんてものも見当たらなかった。
「いらっしゃいませ! 当店ははじめてでしょうか?」
「当たり前です!」
「ちょ、オリバー、そんなに声を大にして……」
さっきまでのやり取りのせいなのか、大声で断言したオスキャルに周りにいた客も若干引いているようだったが、その店主はそんな表情はおくびにも出さずにこやかに微笑んだ。
「相変わらず詳しすぎない?」
「ですから! エヴァ様が! 行くって言うから調べただけですッ」
「はいはい。さ、今から私はヴァル、オスキャルはオリバーだからね」
「信じて下さいエヴァ様ぁっ」
「だからヴァルだってば!」
再び取り乱すオスキャルの背中を無理やり押し、その夜闇の館へと入る。
怪しい名前とは想像もできないほどその館内はちゃんとしており、汚れなんてものも見当たらなかった。
「いらっしゃいませ! 当店ははじめてでしょうか?」
「当たり前です!」
「ちょ、オリバー、そんなに声を大にして……」
さっきまでのやり取りのせいなのか、大声で断言したオスキャルに周りにいた客も若干引いているようだったが、その店主はそんな表情はおくびにも出さずにこやかに微笑んだ。