幽霊姫は止まれない!
第四十九話 お手並み拝見ってやつなんだから!
「さぁっ、吸血鬼プレイのお手並み……じゃなくて、聖女サマのその正体、暴かせて貰うぜ!」
そう意気揚々と口にし右手を高く上げる。
そんな私を半ば呆れたような表情で見ながらため息を吐いたオスキャルと共に、私は店員に教えられた部屋へと向かった。
これもその〝コンセプト〟のひとつということだろうか。
薄暗く細めの廊下には蜘蛛の巣がいくつもあり、まるで朝露のような水滴が巣を輝かせている。
「これ、ガラス玉ですね」
「蜘蛛の巣自体も偽物ね。糸で作られてるわ」
「凝ってますね」
感心したように呟くオスキャルに頷いて同意する。
さっきはまだ店員の前だったので口調を変えたものの、オスキャルとふたりきりで進む廊下に入るとつい口調が戻ってしまう。だが、彼の側だとつい気が緩んでしまうのだから仕方ない、なんて華麗に責任転嫁した私は気にせず廊下の飾り付けに感心しつつ眺めながら歩いた。
この〝気が緩んでしまう〟というのが、何故相手がオスキャルの時にばかりそう感じるのかという点に関しては見て見ぬふりを決め込む。
そう意気揚々と口にし右手を高く上げる。
そんな私を半ば呆れたような表情で見ながらため息を吐いたオスキャルと共に、私は店員に教えられた部屋へと向かった。
これもその〝コンセプト〟のひとつということだろうか。
薄暗く細めの廊下には蜘蛛の巣がいくつもあり、まるで朝露のような水滴が巣を輝かせている。
「これ、ガラス玉ですね」
「蜘蛛の巣自体も偽物ね。糸で作られてるわ」
「凝ってますね」
感心したように呟くオスキャルに頷いて同意する。
さっきはまだ店員の前だったので口調を変えたものの、オスキャルとふたりきりで進む廊下に入るとつい口調が戻ってしまう。だが、彼の側だとつい気が緩んでしまうのだから仕方ない、なんて華麗に責任転嫁した私は気にせず廊下の飾り付けに感心しつつ眺めながら歩いた。
この〝気が緩んでしまう〟というのが、何故相手がオスキャルの時にばかりそう感じるのかという点に関しては見て見ぬふりを決め込む。