幽霊姫は止まれない!
第五十一話 ただ、花が似合うと思ったから
いつものように私の部屋の前まで迎えに来てくれたオスキャルがちゃんと『オスカー』の姿であることを確認しにこりと微笑む。
そんな私ももちろん『ヴァル』の姿だ。
「やっぱり女性を口説くなら花だと思うのよね」
「エヴァ様もその、花を貰ったら嬉しい……ん、でしょうか?」
「いや、私はいらないけど」
「……」
オスキャルからの質問に正直にそう答えるとなぜか少し拗ねた表情をされる。そのことを怪訝に思いながらも私たちがむかったのは庭園だ。
その中でも特に豪華に栽培されている薔薇の花の区画へ行く。当然この薔薇たちは王城の管轄であり管理している庭師ですら個人の采配で勝手に摘むなどは許されてはいないが、変装中のヴァルの姿でもその中身の私は王族なのでしれっと拝借することにした。
「端っこならいいわよね」
「俺がやります。どちらがいいでしょうか?」
流石に綺麗に整っている真ん中から、なんてことはせず庭園の隅にしゃがみそう口にすると、すかさずオスキャルがそう言い私と薔薇の間に割り込んできたので思わず苦笑してしまう。
そんな私ももちろん『ヴァル』の姿だ。
「やっぱり女性を口説くなら花だと思うのよね」
「エヴァ様もその、花を貰ったら嬉しい……ん、でしょうか?」
「いや、私はいらないけど」
「……」
オスキャルからの質問に正直にそう答えるとなぜか少し拗ねた表情をされる。そのことを怪訝に思いながらも私たちがむかったのは庭園だ。
その中でも特に豪華に栽培されている薔薇の花の区画へ行く。当然この薔薇たちは王城の管轄であり管理している庭師ですら個人の采配で勝手に摘むなどは許されてはいないが、変装中のヴァルの姿でもその中身の私は王族なのでしれっと拝借することにした。
「端っこならいいわよね」
「俺がやります。どちらがいいでしょうか?」
流石に綺麗に整っている真ん中から、なんてことはせず庭園の隅にしゃがみそう口にすると、すかさずオスキャルがそう言い私と薔薇の間に割り込んできたので思わず苦笑してしまう。