幽霊姫は止まれない!
 私に倣い、偽の髪を外すと焦げ茶色のオスキャルの髪が現れた。
 瞳の色こそふたりともまだ元の色とは違うものの、王族特有のピンク髪とこの国では有名すぎる護衛騎士の二人組という様に流石に正体を察したのだろう。

「ゆ、幽霊姫!?」

 ある意味この娼館のコンセプトに似合ったあだ名で呼ばれ、私はまるでいたずらに成功したようにほくそ笑んだのだった。
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