幽霊姫は止まれない!

第五十九話 ネタバラシしたということは、逃がさないってことですが

「ちょっと! なんでこんな場所に引きこもりの幽霊姫がいるのよ!?」

 完全に不敬すぎる発言だが、一般的にはその通りすぎるので苦笑しながら大きく頷く。

「騙してごめんなさいね、聖女様。貴女の正体が聖女じゃなく性女……じゃなくて、娼婦ということはわかってるの」
「何よ。証拠でも掴もうとでもしたってこと!? 私が王太子妃に相応しくない職業だから!」
「証拠は私が見たと言えばそれで終わりよ。何も掴む必要なんかないんだけど」

 苛立ちを露にする聖女は、私のその発言にぐっと言葉を詰まらせた。

「まぁ、娼婦が王太子妃だなんて反対する貴族はいるでしょうけど、絶対ダメなんて法律はないわ。それが本当に災厄とやらに対抗できる手段ならお兄様も結婚すると思うし。だけど私は……」

 王族として生まれたのだ。結婚は自身のためではなく国のためにするものだというのは私だって理解している。
 当然兄も、姉たちもそうだろう。

 だが、それでも大好きな兄たちには幸せな結婚生活であって欲しいというのも本音で──
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