幽霊姫は止まれない!
 そんなところがズルいと思いつつ、それと同じくらい気付かないで欲しいと思ってしまうのだから俺だって大概だ。

 結局は彼女ではなく自分に呆れた笑いを溢しながら、仕方なく騎士仲間に娼館についての情報を教えてもらいに行くのだろう。

(その結果、また変な勘違いされそうだが──)

 それでも彼女のしたいことを叶えるためについ色々してしまうのは、惚れた弱みというやつなのかもしれない。

 我ながら最高に好きになる相手のセンスがいいな、なんて皮肉なのか本心なのかわからないことを考えてしまったのも、俺だけの秘密なのだから。
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