幽霊姫は止まれない!
あぁ、いつものオスキャルだ。主君に対して平然とそんな顔を向ける彼が、変に取り繕い上辺だけニコニコと近付く人たちとは違って心地いい。
普段と何も変わらないそんな彼を見て嬉しくなった私の目を、ジッとオスキャルが見つめる。
「ッ、?」
徐々に顔が近付き、ドキリと心臓が跳ねる。いつもと同じはずの彼の様子がいつもとは違い、戸惑った私の背中にじわりと汗が滲んだ、その時だった。
「――あぁ、エヴァ様の瞳に映る俺、格好いい……」
「……」
「身体能力が高い俺も格好良かった。主君のピンチに駆けつける俺、ヒーローすぎてこの胸の高鳴りが押さえられない! ドキドキしすぎて体が熱い!」
「私の心は冷える一方よ」
どうやら私の瞳に映った自分の姿にうっとりと見惚れていたらしい。その事実に気付きげんなりした私は、抱き締めている彼の腕の中からサッと立ち上がり、腰に付けていた革袋に染まりキノコを片付ける。どうしてだろう。てっきり私を見つめていると勘違いしたからだろうか? なんだか虚しいような腹立たしいような感情でお腹の奥が熱い。
普段と何も変わらないそんな彼を見て嬉しくなった私の目を、ジッとオスキャルが見つめる。
「ッ、?」
徐々に顔が近付き、ドキリと心臓が跳ねる。いつもと同じはずの彼の様子がいつもとは違い、戸惑った私の背中にじわりと汗が滲んだ、その時だった。
「――あぁ、エヴァ様の瞳に映る俺、格好いい……」
「……」
「身体能力が高い俺も格好良かった。主君のピンチに駆けつける俺、ヒーローすぎてこの胸の高鳴りが押さえられない! ドキドキしすぎて体が熱い!」
「私の心は冷える一方よ」
どうやら私の瞳に映った自分の姿にうっとりと見惚れていたらしい。その事実に気付きげんなりした私は、抱き締めている彼の腕の中からサッと立ち上がり、腰に付けていた革袋に染まりキノコを片付ける。どうしてだろう。てっきり私を見つめていると勘違いしたからだろうか? なんだか虚しいような腹立たしいような感情でお腹の奥が熱い。