幽霊姫は止まれない!
「流行り病を預言して、特効薬を持っていたなら確かにそれで本物の聖女にも認定されるでしょうし、お兄様との縁談も確定的になるわね」
「薬は、また持ってくるって言ってたけど……」
「でも、聞いた感染力だと全員分の薬なんてできるの? 今あるのは手元にある一瓶だけなのよね」
「えぇ」
(そして未来の王妃になるよう後押しをしてやる、って話になってこうなったのね)
だが、こうやってライフスタイルで仕事を選びしっかり自分の居場所を確保している彼女が、王妃になんてなりたいと願うだろうか。彼女が妃教育を真面目にこなしていたのは、兄である王太子になるためだったと言っていた。
探せば本気で王太子妃の立場を勝ち取りたい令嬢なんて沢山いるし、確かに魔力を持っているという点で優れている彼女ではあるが、王族の婚姻相手が魔力を持っている必要はない。
私のような例外がいるせいで説得力が薄れつつあるが、本来『王家の血筋』は必ず魔力を持っている。よって婚姻相手に魔力の有無は関係なかった。それなのに、権力志向でもない彼女が選ばれたのは──
(体よく脅せる相手だったから)
「薬は、また持ってくるって言ってたけど……」
「でも、聞いた感染力だと全員分の薬なんてできるの? 今あるのは手元にある一瓶だけなのよね」
「えぇ」
(そして未来の王妃になるよう後押しをしてやる、って話になってこうなったのね)
だが、こうやってライフスタイルで仕事を選びしっかり自分の居場所を確保している彼女が、王妃になんてなりたいと願うだろうか。彼女が妃教育を真面目にこなしていたのは、兄である王太子になるためだったと言っていた。
探せば本気で王太子妃の立場を勝ち取りたい令嬢なんて沢山いるし、確かに魔力を持っているという点で優れている彼女ではあるが、王族の婚姻相手が魔力を持っている必要はない。
私のような例外がいるせいで説得力が薄れつつあるが、本来『王家の血筋』は必ず魔力を持っている。よって婚姻相手に魔力の有無は関係なかった。それなのに、権力志向でもない彼女が選ばれたのは──
(体よく脅せる相手だったから)