幽霊姫は止まれない!
(自分自身にベタ惚れしたの、トラウマになってるのね)
私としては面白──ではなく、私を守るために薬を飲んだ結果なのだし、そしてそれが惚れ薬だったのだから仕方ないと思うのだが、オスキャルにとっては苦い記憶なのだろう。
「それでも私を優先して守ってくれたのよね」
「? 何か言いましたか」
「万が一オスキャルが倒れたら私を守る人がいなくなるなって思っただけ」
「うっ」
「だから、次は絶対私を命を懸けて庇わないで欲しいところだわ」
「あら。子猫ちゃんってばそれは無茶じゃないかしら」
「きゃ!?」
私たちの会話を聞いていたのか、くすくすと笑いながら現れたのはローザだった。相変わらずいつの間にか背後から出てくる彼女に、二度目だった私とオスキャルとは違い聖女が悲鳴を上げる。
その声を聞いて更に笑みを深めたローザは、聖女の頬に指先で触れながらその妖艶な赤い唇を小さく舐めた。
「ふふ、今日は可愛い子も一緒なのね。安心して? 私、同族は好きよ」
「ど、同族?」
「えぇ。貴女も狩る側、でしょ」
「!」
(え。なんか意気投合しそうな雰囲気なんだけど)
私としては面白──ではなく、私を守るために薬を飲んだ結果なのだし、そしてそれが惚れ薬だったのだから仕方ないと思うのだが、オスキャルにとっては苦い記憶なのだろう。
「それでも私を優先して守ってくれたのよね」
「? 何か言いましたか」
「万が一オスキャルが倒れたら私を守る人がいなくなるなって思っただけ」
「うっ」
「だから、次は絶対私を命を懸けて庇わないで欲しいところだわ」
「あら。子猫ちゃんってばそれは無茶じゃないかしら」
「きゃ!?」
私たちの会話を聞いていたのか、くすくすと笑いながら現れたのはローザだった。相変わらずいつの間にか背後から出てくる彼女に、二度目だった私とオスキャルとは違い聖女が悲鳴を上げる。
その声を聞いて更に笑みを深めたローザは、聖女の頬に指先で触れながらその妖艶な赤い唇を小さく舐めた。
「ふふ、今日は可愛い子も一緒なのね。安心して? 私、同族は好きよ」
「ど、同族?」
「えぇ。貴女も狩る側、でしょ」
「!」
(え。なんか意気投合しそうな雰囲気なんだけど)