幽霊姫は止まれない!
第六十九話 貴方の目的は何ですか
「せ、せめて汗くらいかきなさいよ」
「すみません、汗は夜、殿方の上でしか……」
「あー! あー! 姫様の教育に悪いんでぇえ!」
「体力仕事なのでこれくらいで汗はかきません」
「よろしい」
「オスキャル、貴方私の父親なの?」
くだらない会話で多少気を紛らわすが、それでも体力の限界が近い。流石にこのまま延々と歩き続けるのは厳しく、だが聖女をからかうという理由ではなく単純に疲れたからと抱っこをねだるのは自分のプライドが許さなかった。
「くっ、最早ここまでか……!」
「は? 姫様体力なさすぎません?」
「エヴァ様、意地を張らず……いや、ここは体力をつけるために限界まで歩かせる方が」
「鬼か」
「あーんッ! どこにいるのよ、エルフーッ!」
恐ろしいことを言い出すオスキャルに慄き思わず叫ぶ。その時。
「侵入者はお前たちか」
「!」
それは、私が王族として向き合わなければならない相手との邂逅の瞬間だった。
◇◇◇
「何しに来た?」
「……まさか本命の方から出て来てくれるとは思わなかったわ」
「すみません、汗は夜、殿方の上でしか……」
「あー! あー! 姫様の教育に悪いんでぇえ!」
「体力仕事なのでこれくらいで汗はかきません」
「よろしい」
「オスキャル、貴方私の父親なの?」
くだらない会話で多少気を紛らわすが、それでも体力の限界が近い。流石にこのまま延々と歩き続けるのは厳しく、だが聖女をからかうという理由ではなく単純に疲れたからと抱っこをねだるのは自分のプライドが許さなかった。
「くっ、最早ここまでか……!」
「は? 姫様体力なさすぎません?」
「エヴァ様、意地を張らず……いや、ここは体力をつけるために限界まで歩かせる方が」
「鬼か」
「あーんッ! どこにいるのよ、エルフーッ!」
恐ろしいことを言い出すオスキャルに慄き思わず叫ぶ。その時。
「侵入者はお前たちか」
「!」
それは、私が王族として向き合わなければならない相手との邂逅の瞬間だった。
◇◇◇
「何しに来た?」
「……まさか本命の方から出て来てくれるとは思わなかったわ」