幽霊姫は止まれない!
どこか落ち着いた低い声がその場に響く。声色から男性だとわかるが、ローブのようなものを頭から深く被っており顔は見えない。
(確かにずっとああやって顔を隠していたのならエルフかはわからないわね)
まるで透き通るように白い肌に全体的に淡い色合いを持つとされるエルフ。そのエルフと人間が最も違う部分は耳だった。
彼らは人間とは違い、ツンと尖り細長い耳をしているのだ。その特徴から、もし見かければ一目でわかるはずだが、その特徴をあのように隠されれば聖女が接していた相手をエルフだと認識していなくてもおかしくはない。
オスキャルが私と聖女を庇うように前へ出るが、そんな彼の腕を軽く引くと渋々斜め前へと立ち位置を変えた。私と相手との視界を遮らず、私を守れる位置なのだろう。
「なるほど。作戦は失敗ということか」
「ッ!」
それは決して怒声というわけでなく、むしろ落ち着いたような話し方だが、威圧を孕んだ静かな声だった。その声を聞いた瞬間私の後ろにいた聖女が息を詰める。
「失敗とはどういうところがかしら? ここにいること?」
(確かにずっとああやって顔を隠していたのならエルフかはわからないわね)
まるで透き通るように白い肌に全体的に淡い色合いを持つとされるエルフ。そのエルフと人間が最も違う部分は耳だった。
彼らは人間とは違い、ツンと尖り細長い耳をしているのだ。その特徴から、もし見かければ一目でわかるはずだが、その特徴をあのように隠されれば聖女が接していた相手をエルフだと認識していなくてもおかしくはない。
オスキャルが私と聖女を庇うように前へ出るが、そんな彼の腕を軽く引くと渋々斜め前へと立ち位置を変えた。私と相手との視界を遮らず、私を守れる位置なのだろう。
「なるほど。作戦は失敗ということか」
「ッ!」
それは決して怒声というわけでなく、むしろ落ち着いたような話し方だが、威圧を孕んだ静かな声だった。その声を聞いた瞬間私の後ろにいた聖女が息を詰める。
「失敗とはどういうところがかしら? ここにいること?」