幽霊姫は止まれない!
「だから行くわ。ごめんね、オスキャル」
私がそう言うと、眉尻を下げ苦しそうな表情になる。私だってオスキャルにこんな思いをさせたくなんてない。だが、ここを譲るわけにはいかなかった。
その決意が伝わったのだろう、私の腕を掴む彼の手が緩む。そして自由になった私は、エルフが走り去った方へと足を進めた。
目的地は思ったより近く、追いかけ始めてすぐに小さな山小屋のような家を発見する。木だけでできたその家は、温かみがあるごく平凡なものだったが纏う雰囲気がどこか悲しげに見えた。
「入ってもいいかしら」
閉ざされた扉をノックし、そう声をかけるが中から返事はない。しかし家の中から小さな物音がしたので彼が中にいると判断した私は、ゆっくりと扉を開けた。
幸いにも扉をに鍵はかかっていない。
中は明かりがついておらず暗かったが、扉を開けたことで光が差し込み部屋の中を照らすと、少し大きめの机と椅子が二脚。カップもふたつと、手のひらより少し大きい瓶が置いてあった。その瓶の中身はどうやら液体のようだが、カップに入れて飲む、というようには見えない。
私がそう言うと、眉尻を下げ苦しそうな表情になる。私だってオスキャルにこんな思いをさせたくなんてない。だが、ここを譲るわけにはいかなかった。
その決意が伝わったのだろう、私の腕を掴む彼の手が緩む。そして自由になった私は、エルフが走り去った方へと足を進めた。
目的地は思ったより近く、追いかけ始めてすぐに小さな山小屋のような家を発見する。木だけでできたその家は、温かみがあるごく平凡なものだったが纏う雰囲気がどこか悲しげに見えた。
「入ってもいいかしら」
閉ざされた扉をノックし、そう声をかけるが中から返事はない。しかし家の中から小さな物音がしたので彼が中にいると判断した私は、ゆっくりと扉を開けた。
幸いにも扉をに鍵はかかっていない。
中は明かりがついておらず暗かったが、扉を開けたことで光が差し込み部屋の中を照らすと、少し大きめの机と椅子が二脚。カップもふたつと、手のひらより少し大きい瓶が置いてあった。その瓶の中身はどうやら液体のようだが、カップに入れて飲む、というようには見えない。