幽霊姫は止まれない!
第七十六話 やらかした奴が言うセリフではないのである
──あの日、俺は、俺の一生の主人をエヴァ様だとそう決めたんだ。
「あんのエルフぅぅう!」
「おい。本人を前に言うなら名前を呼べ」
「こんのアルフォードぉぉお!」
「うむ、よかろう。それよりちょっとこの毒を飲んでみてはくれないだろうか。多分毒は抜けてると思うんだ」
「多分で毒盛ろうとしないで貰えますッ!?」
「毒が抜けていなければ精一杯解毒するから安心して欲しい」
「安心できる要素がねぇ……」
『愛する人を助けられなかった苦しみ』から事件を起こしたエルフのアルフォード。彼は国を混乱に陥れたわりには、最終的にこれからこの国にもいつかくるだろう薬の生成者として貢献をし、結果的にエヴァ様を感染させたとはいえ、彼の用意した薬が本物だったお陰で結果、表向きは〝何事も起こらなかった〟という形で終息した今回の事件。
なかったことにした対価として、長寿種のエルフが国の守護者として王城の薬師になったのだから、むしろ利益の方が多い。何しろその長寿ゆえに彼自身が生きる伝承でもあるからだ。
「あんのエルフぅぅう!」
「おい。本人を前に言うなら名前を呼べ」
「こんのアルフォードぉぉお!」
「うむ、よかろう。それよりちょっとこの毒を飲んでみてはくれないだろうか。多分毒は抜けてると思うんだ」
「多分で毒盛ろうとしないで貰えますッ!?」
「毒が抜けていなければ精一杯解毒するから安心して欲しい」
「安心できる要素がねぇ……」
『愛する人を助けられなかった苦しみ』から事件を起こしたエルフのアルフォード。彼は国を混乱に陥れたわりには、最終的にこれからこの国にもいつかくるだろう薬の生成者として貢献をし、結果的にエヴァ様を感染させたとはいえ、彼の用意した薬が本物だったお陰で結果、表向きは〝何事も起こらなかった〟という形で終息した今回の事件。
なかったことにした対価として、長寿種のエルフが国の守護者として王城の薬師になったのだから、むしろ利益の方が多い。何しろその長寿ゆえに彼自身が生きる伝承でもあるからだ。