幽霊姫は止まれない!
 過去の出来事を正しいかわからない書物などに頼るのではなく、ただ一言「どうだった?」と聞けばわかるのだ。これを利益と呼ばずになんという。

 しかも薬師としてもこの国に貢献するというのだから、」願ったりかなったりというやつである。

(まぁ、俺はエヴァ様を危険に晒したことを許さないけど)
 しかも、俺の拗らせた片想いの暴露込み。最悪にもほどがる。

「エヴァ様……」
「そんなに恋焦がれるのなら、さっさと子作りでもしてくればいいだろう。お前たちはすぐ死ぬんだから」
「そんな勝手な提案するのやめてもらえますッ!? あとすぐ死ぬ言うな! エルフに比べたら人類全員すぐ死ぬわ!」
 ぎゃいぎゃいと噛みつく俺を、まるでコバエでも見るような目でチラッと見たアルフォードは、まるでやれやれと言わんばかりに首を左右に振った。
 そして呆れたように口を開く。

「お前たちは両想いだと言っただろう。どうしてそこで足踏みをする?」
「そ、れは……」
「口づけだってしていたではないか」
「あれは人命救助だし元凶が口づ……言うな!」
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