幽霊姫は止まれない!
第七十九話 出会ったのは不思議で明るく気高い少女
「……あなた、だあれ?」
それは女の子の声だった。
しかも幼い声。
ひょっこりと植垣から顔を出したその女の子が王族の証であるピンクの髪に紫の瞳を持っていたことにも驚いた。
どう見ても年上には見えないので、王族の配色だが双子の姫のどちらか、ということも無さそうだ。
今思えば、年下で、王族配色のレディなんてエヴァ様しかいないとわかる。
わざわざ『王族特有の配色』と言われるくらいなのだ、王族以外でその配色になる者がいないのだから、消去法でエヴァ様確定。
だが、当時の俺はバカだったのだ。
両親の気遣いも、願いにも気付かず、兄たちに勝手に嫉妬し兄たちの苦労から目を背け、そして事実かどうかもわからない『幽霊姫』の噂から勝手に嫌悪を抱く。
そんなバカな俺だから、目の前に現れた年下の女の子を見て、こう思ったのだ。
(そっくりさんか!)
──と。あぁ、なんて愚か。
それは女の子の声だった。
しかも幼い声。
ひょっこりと植垣から顔を出したその女の子が王族の証であるピンクの髪に紫の瞳を持っていたことにも驚いた。
どう見ても年上には見えないので、王族の配色だが双子の姫のどちらか、ということも無さそうだ。
今思えば、年下で、王族配色のレディなんてエヴァ様しかいないとわかる。
わざわざ『王族特有の配色』と言われるくらいなのだ、王族以外でその配色になる者がいないのだから、消去法でエヴァ様確定。
だが、当時の俺はバカだったのだ。
両親の気遣いも、願いにも気付かず、兄たちに勝手に嫉妬し兄たちの苦労から目を背け、そして事実かどうかもわからない『幽霊姫』の噂から勝手に嫌悪を抱く。
そんなバカな俺だから、目の前に現れた年下の女の子を見て、こう思ったのだ。
(そっくりさんか!)
──と。あぁ、なんて愚か。