幽霊姫は止まれない!
その女の子が、俺の姿を見てぴょこぴょこと駆け寄ってくる。家では一番の末っ子である俺は、はじめて自分より年下の子を見て正直浮かれ、お兄さんぶろうとしたのだろう。
相手が迷子だと思ったことも理由のひとつだが。
「ここは王族の、それもあの幽霊姫の庭だよ。幽霊、わかる? こわーい、オバケなんだよ!」
今思い出しても顔から火が出そうなほどひどい発言で、いや、むしろ不敬罪だと言われてもおかしくない発言でもあった。
そんな俺の言葉を聞いたその女の子は、少しだけ首を傾げる。
「あら。幽霊はわかるけど、幽霊姫は生きているのよ。あなたこそ知っているの? オバケというのは、死霊のことよ」
「し、しりょう……」
まさか年下の女の子からそんな単語が出るとは思わず、愕然とする。そんな俺に彼女はにこりと笑みを浮かべた。
「それよりあなたはこんなところで何しているの?」
まるで珍しいものを見るかのように、キラキラと目を輝かせた彼女は、あっという間に俺の目の前までやってきて、俺からの返答も待たずに手を取る。そしてそのまま走り出した。
相手が迷子だと思ったことも理由のひとつだが。
「ここは王族の、それもあの幽霊姫の庭だよ。幽霊、わかる? こわーい、オバケなんだよ!」
今思い出しても顔から火が出そうなほどひどい発言で、いや、むしろ不敬罪だと言われてもおかしくない発言でもあった。
そんな俺の言葉を聞いたその女の子は、少しだけ首を傾げる。
「あら。幽霊はわかるけど、幽霊姫は生きているのよ。あなたこそ知っているの? オバケというのは、死霊のことよ」
「し、しりょう……」
まさか年下の女の子からそんな単語が出るとは思わず、愕然とする。そんな俺に彼女はにこりと笑みを浮かべた。
「それよりあなたはこんなところで何しているの?」
まるで珍しいものを見るかのように、キラキラと目を輝かせた彼女は、あっという間に俺の目の前までやってきて、俺からの返答も待たずに手を取る。そしてそのまま走り出した。