幽霊姫は止まれない!
「あなたが辛いと思ったら、それが他人からみたらどれだけちっぽけでも、ちっぽけな悩みなんじゃないのよ。そこを履き違えるなんて、やっぱりあなたはバカバカバカ!」
「えぇえっ」
バカを連呼され唖然とする。
どう考えても俺の悩みと彼女の状況では彼女の方が悩みの比率は重くなるような気がするのだが──
「あなた、ニンジンは好き?」
「嫌いじゃないけど」
「私はニンジンが嫌いなの。だから今日のご飯にニンジンが出てきたらどうしようってとってもとっても悩んでいるの! 一大事なの!」
ね、あなたにはちっぽけでしょ? なんて笑う彼女の笑顔と言葉が、ストンと俺の中に落ちてくる。
(悩みの大きさは俺が決めてもいいのか)
俺よりもっと不幸な子はたくさんいる。
選択肢など与えられず、市井へくだるものもいる。そんな子からすれば、騎士という職業も選択肢にある俺は恵まれているだろう。
でも俺にとっては人生を決める一大事で、すごく大きな悩みなのだ。
「えぇえっ」
バカを連呼され唖然とする。
どう考えても俺の悩みと彼女の状況では彼女の方が悩みの比率は重くなるような気がするのだが──
「あなた、ニンジンは好き?」
「嫌いじゃないけど」
「私はニンジンが嫌いなの。だから今日のご飯にニンジンが出てきたらどうしようってとってもとっても悩んでいるの! 一大事なの!」
ね、あなたにはちっぽけでしょ? なんて笑う彼女の笑顔と言葉が、ストンと俺の中に落ちてくる。
(悩みの大きさは俺が決めてもいいのか)
俺よりもっと不幸な子はたくさんいる。
選択肢など与えられず、市井へくだるものもいる。そんな子からすれば、騎士という職業も選択肢にある俺は恵まれているだろう。
でも俺にとっては人生を決める一大事で、すごく大きな悩みなのだ。