幽霊姫は止まれない!
そしてこの庭園に自由に入れる王族特有の色を持った年下の女の子が、幽霊姫ことリンディ国の末の姫・エーヴァファリン殿下だということを鉄拳制裁を加えられながら教えられたのだ。
──悲劇の末姫、エーヴァファリン・リンディ。
いつかまた会いたいと願い続けた俺の唯一と再会することが叶わないまま、俺は彼女の護衛を目指して騎士としてその能力を高めることにだけ注視してきた。
器用貧乏な性格が上手く影響したのか、俺は魔力の扱いをマスターし、最年少ソードマスターという称号を得たけれど、それも全てエヴァ様との約束を守りたいがためだった。
彼女は幽霊姫と蔑まれ、あの部屋に籠りきり。彼女が唯一出られるのはあの庭園の中のみなのだろう。
だからこそ俺はひたすら強さを求めた。俺が彼女と再び接点を持つには、泡沫の夢を見るには彼女の護衛になる以外なかったから。
もちろん彼女との約束を守りたいからというのが一番だったし、『唯一』と定めてくれたあの日のことをエヴァ様が覚えてなくても構わなかった。あの日の彼女はまだ九歳で、記憶なんて薄れて当然だ。
──悲劇の末姫、エーヴァファリン・リンディ。
いつかまた会いたいと願い続けた俺の唯一と再会することが叶わないまま、俺は彼女の護衛を目指して騎士としてその能力を高めることにだけ注視してきた。
器用貧乏な性格が上手く影響したのか、俺は魔力の扱いをマスターし、最年少ソードマスターという称号を得たけれど、それも全てエヴァ様との約束を守りたいがためだった。
彼女は幽霊姫と蔑まれ、あの部屋に籠りきり。彼女が唯一出られるのはあの庭園の中のみなのだろう。
だからこそ俺はひたすら強さを求めた。俺が彼女と再び接点を持つには、泡沫の夢を見るには彼女の護衛になる以外なかったから。
もちろん彼女との約束を守りたいからというのが一番だったし、『唯一』と定めてくれたあの日のことをエヴァ様が覚えてなくても構わなかった。あの日の彼女はまだ九歳で、記憶なんて薄れて当然だ。