幽霊姫は止まれない!
勘違いで逃げ出して王族の庭に侵入する愚か者が、自分の志を見つけたのだと両親は泣いて喜んだが、残念ながら実際はその侵入した王族の庭で出会ったひとりの少女に拗らせた下心……ではなく拗らせた片想いを燻ぶらせ、『彼女が彼女の夢を叶える日』までの『寄り道』を一緒にしたいという思いだけで剣の腕を磨いた。
かなり不純で不毛な決意ではあったが、元々の器用貧乏な性格が上手く作用したのか、俺は十八歳で魔力操作を会得し十九歳でリンディ国の最年少ソードマスターの称号を得たのだった。
かなり不純で不毛な決意ではあったが、元々の器用貧乏な性格が上手く作用したのか、俺は十八歳で魔力操作を会得し十九歳でリンディ国の最年少ソードマスターの称号を得たのだった。