幽霊姫は止まれない！
「エヴァ様が自分の決めた相手と結婚するまで、俺は彼女の唯一の護衛騎士として側にいれればそれでいいんだ」
　元々そういう誓いだったから。
　彼女の側にいたいというのも、俺の希望だったから。

「ふぅむ、人間はよくわからん。日々が目まぐるしくあっという間だ、有限の時間しかないのだから想い合っているならずっと側にいればいいと思うんだがな」
　そう言いながら小さくため息を吐いたアルフォード。きっと彼も、彼の恋人だった人間の女性のことを思い出しているのだろう。

　エルフからすればあっという間な時間。
『短い時間』という意味では、俺も彼もそう変わらない。

（それ以上は望まない。例え本心がどうであれ、エヴァ様は国を選ぶだろうから）
　そんな彼女が、好きだから。

「想いだけでも告げればどうだ？」
「いや、なんでだよ」
　話を聞き、自身の感傷に浸っていたいていたと思っていたのにそんな言葉が返ってきてガクリと項垂れる。

「俺とエヴァ様じゃ身分も違いすぎるし、無理だって散々説明しただろ。それにエヴァ様はご自身の決意でいつか国のために嫁ぐと決めてるんだってば」
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