幽霊姫は止まれない!
「私、今日はこの部屋から出ないつもりなの」
ハッキリと言われた言葉にポカンとする。今まで彼女がこの言葉を言ったのは任命式の時で、そしてそれは完全に相手を油断させるようなものだったけれど──
「心配ならこの部屋をオーラで囲っておいてもいいわ。最初に約束した通り、オスキャルは私が〝外に出る時〟だけ護衛してくれたらいいから」
「えっ、あ、エヴァさ……、っ」
俺が言い終わるのを待たず、そのままバタンと扉が閉められ呆然とする。
(オーラで囲っていいって……)
つまり彼女は本当に今日この部屋から出ないつもりなのだろう。
臨時休暇だ。離れることは護衛としてできないが、訓練所で訓練してもいいし、厨房でおやつを食べてもいい。
専属護衛としての部屋も与えられているから、そこでくつろいでも問題はない。
最初に約束した通り、と言われたということはエヴァ様も任命式の時の約束を言っているのだろう。それは確かに魅力的な提案だったし公約通りのことでもあったが、どうしてか俺の心には何故か穴が開いたような虚しさを残した。
そして、この出来事はその一日だけでなかったのだ。
ハッキリと言われた言葉にポカンとする。今まで彼女がこの言葉を言ったのは任命式の時で、そしてそれは完全に相手を油断させるようなものだったけれど──
「心配ならこの部屋をオーラで囲っておいてもいいわ。最初に約束した通り、オスキャルは私が〝外に出る時〟だけ護衛してくれたらいいから」
「えっ、あ、エヴァさ……、っ」
俺が言い終わるのを待たず、そのままバタンと扉が閉められ呆然とする。
(オーラで囲っていいって……)
つまり彼女は本当に今日この部屋から出ないつもりなのだろう。
臨時休暇だ。離れることは護衛としてできないが、訓練所で訓練してもいいし、厨房でおやつを食べてもいい。
専属護衛としての部屋も与えられているから、そこでくつろいでも問題はない。
最初に約束した通り、と言われたということはエヴァ様も任命式の時の約束を言っているのだろう。それは確かに魅力的な提案だったし公約通りのことでもあったが、どうしてか俺の心には何故か穴が開いたような虚しさを残した。
そして、この出来事はその一日だけでなかったのだ。