幽霊姫は止まれない!
「オスキャルを護衛から外す?」
「えぇ、お兄様。護衛なら近衛騎士で十分だし、私もこの間の男装の時に近衛騎士たちと親しくなって信頼関係も築いたし。だめかしら?」
それは、エヴァ様の元へ護衛として予定を聞きに行こうとした時に偶然聞いてしまった会話だった。
エヴァ様が、俺の護衛の任を解く提案を王太子殿下にしていたのである。
(なんで、どうして)
護衛としてなら変わらないでいられると思っていたのに、それすらもダメなのだろうか。
もう取り返しはつかないのだろうか。
答えの出ない問いが俺の中でぐるぐるとめぐる。目の前が真っ白になっている間に、いつの間にかふたりの会話は終わっていたのだろう。
俺の姿に気付いたエヴァ様が、いつの間にか俺の顔を覗き込んでいた。
「ちょっとオスキャル、具合でも悪いの?」
最近避けられていたのに、彼女から近づき心配してくれていることが単純に嬉しい。そしてそれと同時に、先ほど言われた内容が信じられなくてごくりと唾を呑む。
──こんなに早い別れじゃないはずだったんだ、というのはアルフォードの言葉だ。
「えぇ、お兄様。護衛なら近衛騎士で十分だし、私もこの間の男装の時に近衛騎士たちと親しくなって信頼関係も築いたし。だめかしら?」
それは、エヴァ様の元へ護衛として予定を聞きに行こうとした時に偶然聞いてしまった会話だった。
エヴァ様が、俺の護衛の任を解く提案を王太子殿下にしていたのである。
(なんで、どうして)
護衛としてなら変わらないでいられると思っていたのに、それすらもダメなのだろうか。
もう取り返しはつかないのだろうか。
答えの出ない問いが俺の中でぐるぐるとめぐる。目の前が真っ白になっている間に、いつの間にかふたりの会話は終わっていたのだろう。
俺の姿に気付いたエヴァ様が、いつの間にか俺の顔を覗き込んでいた。
「ちょっとオスキャル、具合でも悪いの?」
最近避けられていたのに、彼女から近づき心配してくれていることが単純に嬉しい。そしてそれと同時に、先ほど言われた内容が信じられなくてごくりと唾を呑む。
──こんなに早い別れじゃないはずだったんだ、というのはアルフォードの言葉だ。