幽霊姫は止まれない!
(それなのにこんなに私にぴったりの相手がいるだなんて!)
しかも恋愛より、国の責務。兄の友人で人格者という後押しまでついているだなんて、この話に乗らない手はない。
「サイラス様を紹介してください! どうすればサイラス様とお会いできますか!」
「あー。それがなぁ」
「それが?」
「今度、来る」
「来る?」
「あいつが、来る……」
「どうしてそんなに嫌そうなんですか」
まるで地を這うような声色で言われ、思わず半眼になってしまった。
そんな私の前で思い切り項垂れる兄を見ると、本当に紹介するのが嫌らしい。
(つまり即決で結婚を決めてしまえるほどの相手ってことね)
兄があんなに嫌そうにしているのは、ただ単に私への愛情が強すぎるからだろう。そんなシスコンな兄に苦笑しつつ、私自身もブラコンだからか、兄の葛藤が嬉しく感じた。
しかも恋愛より、国の責務。兄の友人で人格者という後押しまでついているだなんて、この話に乗らない手はない。
「サイラス様を紹介してください! どうすればサイラス様とお会いできますか!」
「あー。それがなぁ」
「それが?」
「今度、来る」
「来る?」
「あいつが、来る……」
「どうしてそんなに嫌そうなんですか」
まるで地を這うような声色で言われ、思わず半眼になってしまった。
そんな私の前で思い切り項垂れる兄を見ると、本当に紹介するのが嫌らしい。
(つまり即決で結婚を決めてしまえるほどの相手ってことね)
兄があんなに嫌そうにしているのは、ただ単に私への愛情が強すぎるからだろう。そんなシスコンな兄に苦笑しつつ、私自身もブラコンだからか、兄の葛藤が嬉しく感じた。