幽霊姫は止まれない!
第九十話 正々堂々お見合いを
「お忍びで来られるんですか?」
「いや、親善目的の交流としてだな」
「あぁ。そう言えばもうすぐ夜会があると聞いたのは……」
「サイラスを迎えるためのものだ」
(歓迎パーティーってことね)
普段の夜会は幽霊姫だから、と甘えて出ていなかった。けれど。
「だからもし顔合わせをしたいなら、夜会の前か──」
「その夜会、私も出席いたします」
「……え?」
私のその一言に唖然とした顔を向けられる。その顔も仕方ない。
でも、結婚相手を願った時から私の『遊び』の時間は終わりなのだ。
「王族として、これからは全ての公務に参加いたします。もちろん夜会も出席いたします。今まで甘えさせてくださり、本当にありがとうございました」
「いや、だが、前に出ると」
(きっと貴族から色々言われるわね)
生まれただけであんなに世間から叩かれたのだ。だからこそ幽霊姫なんてあだ名もつけられ、魔力のない王族は認められないとバッシングも受けてきた。それはこれからも変わらない。
それらが原因で私が公務を免除されたといういきさつもわかっている。
(王家の、弱みになるから)
「いや、親善目的の交流としてだな」
「あぁ。そう言えばもうすぐ夜会があると聞いたのは……」
「サイラスを迎えるためのものだ」
(歓迎パーティーってことね)
普段の夜会は幽霊姫だから、と甘えて出ていなかった。けれど。
「だからもし顔合わせをしたいなら、夜会の前か──」
「その夜会、私も出席いたします」
「……え?」
私のその一言に唖然とした顔を向けられる。その顔も仕方ない。
でも、結婚相手を願った時から私の『遊び』の時間は終わりなのだ。
「王族として、これからは全ての公務に参加いたします。もちろん夜会も出席いたします。今まで甘えさせてくださり、本当にありがとうございました」
「いや、だが、前に出ると」
(きっと貴族から色々言われるわね)
生まれただけであんなに世間から叩かれたのだ。だからこそ幽霊姫なんてあだ名もつけられ、魔力のない王族は認められないとバッシングも受けてきた。それはこれからも変わらない。
それらが原因で私が公務を免除されたといういきさつもわかっている。
(王家の、弱みになるから)