幽霊姫は止まれない!
そう聞きながら借りていた図解書と革袋を、集めた材料ごとローザに手渡すとニッと愉しげにローザが微笑む。そのまま私の質問には返事せず、受け取った材料の中から私が水中から採ったぶよぶよとした果実と、ゴーレムの頭上からオスキャルが手に入れてくれた七色の花弁の花をすり鉢へ放り込んだ。そしてそのふたつの材料を擦り潰してしまう。水分が多そうなぶよぶよとした果実のお陰か、行程やその黒ずんだ色合いはともかく一応は生搾りジュースのようなものが出来上がった。その出来上がった液体を、すり鉢ごとオスキャルの前へと差し出す。
「はい、解毒薬」
「「えっ」」
一瞬で完成したその解毒薬を見て思わず私とオスキャルが顔を見合わせる。
(これを飲むの? って顔してるわね)
「えーっと、無理して飲まなくても、いいわよ?」
「いや、ここまで来たらまぁ飲みますけど」
うっ、と一瞬眉をひそめたオスキャルだったが、そのまま勢いよく一気に呷る。ごくごくと喉が上下するのを眺めていると、飲み干したオスキャルがウッと呻いた。足元がふらつき、自身の喉を抑えて何かに耐えるように両目を瞑る。
「ローザ! 鏡を!」
「はいはい、どうぞ」
「はい、解毒薬」
「「えっ」」
一瞬で完成したその解毒薬を見て思わず私とオスキャルが顔を見合わせる。
(これを飲むの? って顔してるわね)
「えーっと、無理して飲まなくても、いいわよ?」
「いや、ここまで来たらまぁ飲みますけど」
うっ、と一瞬眉をひそめたオスキャルだったが、そのまま勢いよく一気に呷る。ごくごくと喉が上下するのを眺めていると、飲み干したオスキャルがウッと呻いた。足元がふらつき、自身の喉を抑えて何かに耐えるように両目を瞑る。
「ローザ! 鏡を!」
「はいはい、どうぞ」