幽霊姫は止まれない!
「本日はこのようなパーティーを開いてくださりありがとうございます。到着が遅れたこと、申し訳ありません」
「いや、こちらこそ遠路はるばる来てくれてありがとう。改めて紹介は……いらないかもしれないが、サイラス。私の一番下の妹のエーヴァファリンだ」
「アルゲイドから聞いていた通りとても美しい妹さんだ。手を離しがたいくらいに」
「……。よし、エヴァ。早急にこちらへ来なさい」
軽く眉をひそめただけだったはずの兄の表情が、ピキッ、と一気に強張ったのを見て、思わず半眼になってしまう。
完全にシスコンモードを発動させた兄だったが、ちょうどそのタイミングでホールの流れる音楽が変わる。主役の到着を察してダンスの曲が流れ始めたのだ。
「貴女と踊る栄誉をいただけますか?」
(絶対お兄様を意識してからかってるわね)
わざとらしいくらい丁寧に頭を下げるサイラスに、ついふっと笑みが零れてしまう。いつも落ち着いている兄が翻弄されている姿というのは見ていて少し可笑しく、私は彼のイタズラに乗るように恭しく頷いた。
「はい、喜んで」
「いや、こちらこそ遠路はるばる来てくれてありがとう。改めて紹介は……いらないかもしれないが、サイラス。私の一番下の妹のエーヴァファリンだ」
「アルゲイドから聞いていた通りとても美しい妹さんだ。手を離しがたいくらいに」
「……。よし、エヴァ。早急にこちらへ来なさい」
軽く眉をひそめただけだったはずの兄の表情が、ピキッ、と一気に強張ったのを見て、思わず半眼になってしまう。
完全にシスコンモードを発動させた兄だったが、ちょうどそのタイミングでホールの流れる音楽が変わる。主役の到着を察してダンスの曲が流れ始めたのだ。
「貴女と踊る栄誉をいただけますか?」
(絶対お兄様を意識してからかってるわね)
わざとらしいくらい丁寧に頭を下げるサイラスに、ついふっと笑みが零れてしまう。いつも落ち着いている兄が翻弄されている姿というのは見ていて少し可笑しく、私は彼のイタズラに乗るように恭しく頷いた。
「はい、喜んで」