幽霊姫は止まれない!
ちょっとした自虐ネタのつもりだったのに、それを聞き返され、しかも私が言葉に詰まったせいで今さら何を言ってもいじけているように聞こえてしまうのではないだろうか。ダンスのスタートとしては最悪だ。
だが黙っているのも気まずくて、なんとなく目線を合わせられず彼の顔をチラリとこっそり盗み見ると、相変わらず不思議そうにじっと見つめられていて息を呑む。
「エヴァが幽霊姫なら、俺は幽霊王子になるのかな?」
「え。いや、幽霊姫ってあだ名は……」
「ふふ、幽霊同士ってことはどこにでも行けちゃうのか、悪くないね」
「……っ」
重ねられたその返答に思わず目を見開いてしまう。それは私が〝幽霊姫〟でいた理由のひとつだった。
だが黙っているのも気まずくて、なんとなく目線を合わせられず彼の顔をチラリとこっそり盗み見ると、相変わらず不思議そうにじっと見つめられていて息を呑む。
「エヴァが幽霊姫なら、俺は幽霊王子になるのかな?」
「え。いや、幽霊姫ってあだ名は……」
「ふふ、幽霊同士ってことはどこにでも行けちゃうのか、悪くないね」
「……っ」
重ねられたその返答に思わず目を見開いてしまう。それは私が〝幽霊姫〟でいた理由のひとつだった。