幽霊姫は止まれない!
第九十六話 こんなデートでも楽しんでくれますか
「では、まずお気に入りのパン屋さんから!」
「ははっ、それは楽しみだ」
うっかり護衛の近衛騎士たちを撒いてしまわないように注意しつつ、慣れた道を進む。
路地を二回曲がった端にあるのが、王城を抜け出したら絶対に寄るパン屋だった。
「こんにちは!」
ひょっこりとカウンターを覗くと、店内から恰幅のいい男性と、眼鏡をかけた細身の女性が私に気付き軽く手を振る。
「今日も同じのかい?」
「はい! お願いしまーす」
この店は買ったパンを店内でも食べることができるのだが、私はいつも油紙で包んで貰い、あまり行儀は良くないが食べながら街の散策をするのが好きだった。
「たまごサンドだね?」
「あ……、はい! それで」
いつもカウンターでオスキャルの分とふたつ買って、ふたりで並んで歩きながら食べる。選ぶのはいつもオスキャルの好物のたまごがたっぷり入ったサンドイッチ。
毎回その注文だからか、店主側も覚えてくれていたのだろう。当たり前のように確認され、私は一瞬怯みつつも、直ぐ様笑顔で頷いた。
「ははっ、それは楽しみだ」
うっかり護衛の近衛騎士たちを撒いてしまわないように注意しつつ、慣れた道を進む。
路地を二回曲がった端にあるのが、王城を抜け出したら絶対に寄るパン屋だった。
「こんにちは!」
ひょっこりとカウンターを覗くと、店内から恰幅のいい男性と、眼鏡をかけた細身の女性が私に気付き軽く手を振る。
「今日も同じのかい?」
「はい! お願いしまーす」
この店は買ったパンを店内でも食べることができるのだが、私はいつも油紙で包んで貰い、あまり行儀は良くないが食べながら街の散策をするのが好きだった。
「たまごサンドだね?」
「あ……、はい! それで」
いつもカウンターでオスキャルの分とふたつ買って、ふたりで並んで歩きながら食べる。選ぶのはいつもオスキャルの好物のたまごがたっぷり入ったサンドイッチ。
毎回その注文だからか、店主側も覚えてくれていたのだろう。当たり前のように確認され、私は一瞬怯みつつも、直ぐ様笑顔で頷いた。