幽霊姫は止まれない!
オスキャルのことを言われ、思わず口ごもってしまう。彼が私の専属護衛騎士だという話は有名で、当たり前の事実。
それなのに、もう過去なことが少し寂しく感じた。
そんな私に気付いたのだろう。サイラスが私の髪の毛をぐしゃぐしゃと、まるで子犬でも撫でるかのようにかき回す。
完全なる妹扱いにムッとして手を払おうとすると、払おうとした手をすかさず掴んだサイラスがそのままぎゅっと握った。
「ッ!」
「次、どこを案内してくれるのかな?」
「これじゃ、食べられないんですけど」
まだ半分しか開けてない包み紙とサイラスの顔を見比べながら言うと、小さく笑った彼が繋いでいる手と反対の手で包み紙を開けてくれる。
「ご希望でしたら食べさせて差し上げますけど、どういたします? 姫」
「いらないですっ」
包みを開けて貰ったサンドイッチにかぶり付きながらそう言うと、ふはっと大きくサイラスが笑う。
何度も見た穏やかな笑みではなく、王族という立場上ポーカーフェイスを一番に学ばされているはずの彼が、自然とこうやって笑うのはなんだか不思議で、そして嬉しかった。
(……手も、嫌じゃないのよね)
それなのに、もう過去なことが少し寂しく感じた。
そんな私に気付いたのだろう。サイラスが私の髪の毛をぐしゃぐしゃと、まるで子犬でも撫でるかのようにかき回す。
完全なる妹扱いにムッとして手を払おうとすると、払おうとした手をすかさず掴んだサイラスがそのままぎゅっと握った。
「ッ!」
「次、どこを案内してくれるのかな?」
「これじゃ、食べられないんですけど」
まだ半分しか開けてない包み紙とサイラスの顔を見比べながら言うと、小さく笑った彼が繋いでいる手と反対の手で包み紙を開けてくれる。
「ご希望でしたら食べさせて差し上げますけど、どういたします? 姫」
「いらないですっ」
包みを開けて貰ったサンドイッチにかぶり付きながらそう言うと、ふはっと大きくサイラスが笑う。
何度も見た穏やかな笑みではなく、王族という立場上ポーカーフェイスを一番に学ばされているはずの彼が、自然とこうやって笑うのはなんだか不思議で、そして嬉しかった。
(……手も、嫌じゃないのよね)