幽霊姫は止まれない!
だが、そんな私たちの姿を見て、兄が大きすぎるため息を吐いた。
「はぁぁぁああ、あーーーーー。いい、駆け落ちはするな。しなくていい」
「だって。よかったね」
頭を抱えて項垂れる兄を可笑しそうに見ながら、サイラスがくつくつと笑う。
本当にこの王子様は笑い上戸だ。
「ま、俺も駆け落ちしなくていいと思うよ。世界中を旅するのもふたりには似合いそうだけどさ。でも、どこかに腰を落ち着けて、国民たちに寄り添う方が向いてそうだ」
「寄り添う、ですか?」
「市場での様子を見たけどさ、みんなエヴァちゃんって呼んで楽しそうにしてただろ。貴族のプライドももちろん大事だけど、だからこそ平民との間には壁がある。そこを繋げられる、いい存在になると思うけど」
(みんなを、繋ぐ……)
確かに、平民のために動き、彼らの前に立つ貴族はいても、平民と並んで立ち上がる貴族はいない。いても、足並みを揃えられない貴族として他の貴族からは疎まれてしまう。
だが、王族の私なら。
平民の生活を知り、そして王族としても生きてきた私だからこそできる、そんな道があるのだろうか。
「はぁぁぁああ、あーーーーー。いい、駆け落ちはするな。しなくていい」
「だって。よかったね」
頭を抱えて項垂れる兄を可笑しそうに見ながら、サイラスがくつくつと笑う。
本当にこの王子様は笑い上戸だ。
「ま、俺も駆け落ちしなくていいと思うよ。世界中を旅するのもふたりには似合いそうだけどさ。でも、どこかに腰を落ち着けて、国民たちに寄り添う方が向いてそうだ」
「寄り添う、ですか?」
「市場での様子を見たけどさ、みんなエヴァちゃんって呼んで楽しそうにしてただろ。貴族のプライドももちろん大事だけど、だからこそ平民との間には壁がある。そこを繋げられる、いい存在になると思うけど」
(みんなを、繋ぐ……)
確かに、平民のために動き、彼らの前に立つ貴族はいても、平民と並んで立ち上がる貴族はいない。いても、足並みを揃えられない貴族として他の貴族からは疎まれてしまう。
だが、王族の私なら。
平民の生活を知り、そして王族としても生きてきた私だからこそできる、そんな道があるのだろうか。