幽霊姫は止まれない!
そのことを若干残念に思いつつも、父に促されるままソファへと腰掛けると、向かいのソファに父も座る。そして横に控えていた、私を呼びに来てくれた側近が私の前に一枚の封筒を置いた。
王族への手紙はよほどのことが無い限り一度開封し、危険が無いかを確認する決まりがあるため、目の前に置かれたその封筒も開封済みではあった。が。
(見たことがない封蝋ね)
大事な手紙には家門ごとに作られていたり、個人を特定できるような特別にデザインされた印章を使うことが多いが、この家紋の印章は見たことがなかった。
これでも一応王族ではあるため、国内貴族の家紋は大体頭に入っているし、主要人物の個人の印章も全てとは言わないが覚えている。だが、いくら簡略化されたデザインになっているとはいえ、この手紙に押されているデザインには心当たりがなかったのだ。
そのことを疑問に思いながらも中の手紙を確認する。その手紙は、なんと婚約の申込だった。
「しかもハッケルトって言ったら隣国、エトホーフトの公爵家じゃない!」
「おぉ、良く知っていて偉いなエヴァ」
「オスキャルがサボらせてくれな……じゃなくて、私も王家の一員ですから」
王族への手紙はよほどのことが無い限り一度開封し、危険が無いかを確認する決まりがあるため、目の前に置かれたその封筒も開封済みではあった。が。
(見たことがない封蝋ね)
大事な手紙には家門ごとに作られていたり、個人を特定できるような特別にデザインされた印章を使うことが多いが、この家紋の印章は見たことがなかった。
これでも一応王族ではあるため、国内貴族の家紋は大体頭に入っているし、主要人物の個人の印章も全てとは言わないが覚えている。だが、いくら簡略化されたデザインになっているとはいえ、この手紙に押されているデザインには心当たりがなかったのだ。
そのことを疑問に思いながらも中の手紙を確認する。その手紙は、なんと婚約の申込だった。
「しかもハッケルトって言ったら隣国、エトホーフトの公爵家じゃない!」
「おぉ、良く知っていて偉いなエヴァ」
「オスキャルがサボらせてくれな……じゃなくて、私も王家の一員ですから」