幽霊姫は止まれない!
「あぁ。私も、どうして姉を抜いて末娘のエヴァに、と気になってね。だがお前の反応を見る限り心当たりはなさそうだから、これはこちらで断っておこう」
「お待ちください!」
 その隣国の公爵子息からの婚約申込書を回収しようとする父を慌てて遮る。そして回収されてしまわないように机の上に戻していた手紙をパッと掴み背中とソファの間に隠した。
「エヴァ?」
「私、一度どんな方なのか会ってみたく思います!」
「エ、エヴァ!?」
 私の発言を聞いた父が愕然とした表情になるが、それどころではない。
(だって気になるもの、どうして私が幽霊姫から妖精姫になったのか!)
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