幽霊姫は止まれない!
第十三話 まさかそのバカなのか?
幽霊と妖精では天と地ほどの違いがある。単純に書き間違えたにしては何度も出てくるし、私が公務に出ず幽霊と揶揄されているのは正直かなり有名な話だった。それを隣国とはいえ公爵令息が知らないだなんてことはないだろう。余程のバカじゃない限り。
「もちろんこの婚約を前向きに考えているわけではありませんが……それでも、もしこの結婚が国の、そしてお父様の役に立つならと思っているんです」
それっぽいことを口にしながら父の方を上目遣いで見つめる。もちろんその直前には目をかっぴらいて乾かし、涙を強制的に滲ませることも忘れない。
「ですが、直接お会いしなければ相手方の真意はわかりません。本当は害意があるのかもしれませんし……一度私に直接確かめに行かせてはいただけませんか?」
「確かめに、だと?」
「はい。出来ればリンディ国の王女としてではなく他の貴族令嬢……いえ、平民で構いません。短期留学という形で、この目で直接確かめたいんです! この結婚の、有用性について!」
(だって接待とかは面倒くさいもの。それに)
「もちろんこの婚約を前向きに考えているわけではありませんが……それでも、もしこの結婚が国の、そしてお父様の役に立つならと思っているんです」
それっぽいことを口にしながら父の方を上目遣いで見つめる。もちろんその直前には目をかっぴらいて乾かし、涙を強制的に滲ませることも忘れない。
「ですが、直接お会いしなければ相手方の真意はわかりません。本当は害意があるのかもしれませんし……一度私に直接確かめに行かせてはいただけませんか?」
「確かめに、だと?」
「はい。出来ればリンディ国の王女としてではなく他の貴族令嬢……いえ、平民で構いません。短期留学という形で、この目で直接確かめたいんです! この結婚の、有用性について!」
(だって接待とかは面倒くさいもの。それに)