幽霊姫は止まれない!
 だが、実際彼はいつも私の脱走を止めるべく、無断で私室の扉を開け毎朝ドシドシと入って来ているのだ。あまりに今更すぎる。そんな考えが顔に出ていたのか、ハァ、とオスキャルが項垂れた。
「なによ。こんなの毎朝のことじゃない」
「毎朝脱走を試みていることを当たり前にしないでください。あと、私室に入ったとしてもエヴァ様は脱走して部屋にはいなんだから、いつもは俺ひとりなんですよ」
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