幽霊姫は止まれない!
(やっぱり国同士の合同訓練に恋人と一緒はおかしかったかしら!?)
完璧だとさっきまでは自信満々だったのに、この視線を一身に受け、さっきまでオスキャルが全力で拒否していた理由はこれかと思い至る。せめて婚約者と名乗ればよかった、ただの恋人ではやはり無理があったのかもしれない。
今更後悔しても後の祭りだが、しかし婚約者を名乗りその噂が自国まで流れればオスキャルの今後の恋人探しに影響が出ると思ったのだ。恋人とは別れればいいが、婚約者と婚約破棄するという醜聞は令嬢側ほどではなくても多少はダメージが入る。それにいい感じの令嬢ができたとしても、『婚約破棄するような男性』だなんて思われたらオスキャルの恋路に影が射すだろう。
だが、私の計画は始まったばかりどころかまだ始まってすらいないのだ。それにもう恋人と名乗ってしまった、今更他の役になりきることも出来ず、だからといってここで怪しまれる訳にもいかない。ならば。
一瞬迷った私だが、勢いをつけて口を開く。女は度胸が肝心、ハッタリなんてかましたもん勝ちである。
「今回は、彼の! 護衛として来ましたの!」
「は、はぁ!?」
完璧だとさっきまでは自信満々だったのに、この視線を一身に受け、さっきまでオスキャルが全力で拒否していた理由はこれかと思い至る。せめて婚約者と名乗ればよかった、ただの恋人ではやはり無理があったのかもしれない。
今更後悔しても後の祭りだが、しかし婚約者を名乗りその噂が自国まで流れればオスキャルの今後の恋人探しに影響が出ると思ったのだ。恋人とは別れればいいが、婚約者と婚約破棄するという醜聞は令嬢側ほどではなくても多少はダメージが入る。それにいい感じの令嬢ができたとしても、『婚約破棄するような男性』だなんて思われたらオスキャルの恋路に影が射すだろう。
だが、私の計画は始まったばかりどころかまだ始まってすらいないのだ。それにもう恋人と名乗ってしまった、今更他の役になりきることも出来ず、だからといってここで怪しまれる訳にもいかない。ならば。
一瞬迷った私だが、勢いをつけて口を開く。女は度胸が肝心、ハッタリなんてかましたもん勝ちである。
「今回は、彼の! 護衛として来ましたの!」
「は、はぁ!?」