幽霊姫は止まれない!
 一番最初に私の言葉に疑問の声を上げたオスキャルの足を思い切り踏んで無理やり黙らせる。
 この間はオーラを纏って私のその攻撃を跳ね返してきたオスキャルだったが、今回はその余裕すらなかったのか思い切り彼の足の甲に私のヒールが刺さり、目を剥いていた。ごめん、力加減間違えたかも。

 しかし彼が黙ったのをいいことに私は更に言い訳という名の言葉を重ねる。
「皆様もご存知の通り、ソードマスターである彼は他国で恋人を作ることができません。ですが彼はとても魅力的です、エトホーフト国の令嬢を虜にするかもしれませんので、おこがましいことは重々承知ですが一緒に参りましたの」

 多少どころではない無理やり論理ではあるが、実際にソードマスターという肩書だけで近寄ってくる人間は多いからか、一応は筋が通ていると判断されたらしくオスキャル以外からは疑問の声が上がらなかった。私が彼を強制的に黙らせているのを見たからかもしれないが。
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