無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
キスひとつで顔を赤くするのも愛らしくて、ひとつのタイプに簡単には決められない。

「もったいぶるなよ。ああ、今度うちの奥さんと一緒にあのカフェに行ってみるのもいいな。かわいい系、美人系。それとも女王様系? この目で確かめてやる」

「女王様系ってなんだよそれ……」

「カフェで桜井さんいますかーって聞いてみるのが手っ取り早くていいな。だけど恥ずかしいから奥さんに聞いてもらおう。奥さん、桜井さんでいいんだよな」

「まあ、そうだけど」

 碧人は本気でカフェに行きそうな榎本に呆れ、じろりと見やる。

「桜井美月。……ああ、そうだ」

碧人は婚姻届を提出した日、役所を出た時に美月が口にしていた言葉が頭に浮かんだ。

美人系でもありかわいい系でもあり、そして。

「アイドル系、っていうのもありだな」

小さな顔にバランスよく配置された大きな目と形のいい唇。

愛らしい笑顔は見ているだけで癒やされる。

それこそアイドルと言ってもおかしくない。

桜井美月という名前だけでなく、彼女は見た目も性格も愛おしい、碧人にとっての唯一のアイドルだ。

「アイドル系……ますます顔が見たい」

「頼むからカフェでひとり盛り上がって、営業妨害なんてしないでくれよ」

本気でやりかねないと危惧して、碧人は釘を刺した。



*  *  *



「蓮人、ツリーの前で写真を撮るぞ」

「いいよ。キラキラきれい」

大きなクリスマスツリーを見上げながら、蓮人は目を輝かせた。

年明けに引っ越しを控えた美月の自宅は段ボールが用意され、準備の真っ最中。

結局、納得できる新居が見つけられず、ひとまず碧人の自宅に美月たちが引っ越すことにしたのだ。

間取りに余裕があり基地にも近く、美月も電車通勤だが二十分程度。

なんとかなりそうだ。

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