無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「ちょっと待て。退職云々は早まるな。辞めるのはいつでもできるし、カフェ事業に本格的に関わりたいなら俺も協力する。社員のまま近くの店舗に異動するのもいいし、新規オープンのタイミングで店長として赴任してもいいんじゃないか?」

「それは……そうかもしれませんが、やっぱり社員のままでは難しいかなと」 

美月の気持ちを汲んであらゆる可能性を提案してもらえたことは、もちろんありがたく岡崎の優しさには感謝ばかりだが、社員のままでは難しいことがひとつある。

「さっき夫のことは関係ないと言ったんですけど、やっぱり関係があるんです。この先夫が転属するのは確実なので、その時は私もついていくつもりです。それも一回限りじゃないと思うんです。だから社員のままだとカフェで働くのは難しそうなんです。バイトとして仕事を続けて、彼が転属する時には私もカフェを移って働けたらと思ってます」

「あー。なるほど」

美月のきっぱりとした声に圧されたのか、岡崎は苦笑し「まあ、それが現実的かな」と肩を落としつつも納得する。

「だけどさっきも言っけど退職ならいつでもできるから、とりあえず週末の面談は来年以降もここでの勤務を希望してみろ。認められる可能性もあるからな」

「わかりました。今日明日で退職するつもりはないので、チャレンジしてみます」

碧人の転属の時期次第だが、それに併せて退職の時期を考えるつもりだ。

すると岡崎が「知ってるかもしれないが」と前置きし、言葉を続けた。

「もしも配偶者の異動に伴って転居する場合、転居先の地域にある支店や事業部に異動希望を出せる。この制度を利用するのもアリだと思うから桜井さんとも相談してみたらいい」

「そんな制度gがあるんですか?」

美月は目を瞬かせた。

「ああ。去年できた制度で、まだ周知されてないみたいだけどな」

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