無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「蓮人……。ありがとう。飛行機図鑑か、面白そうだな」
 
碧人は目尻を下げ絵本を手に取った。

途端に蓮人の表情がほころんだ。

「ごめん」

碧人は美月に向き直る。

「美月の夢を二度も壊して申し訳ないと思ってる。だけど、蓮人を産んでくれたことは感謝してるし、もしも妊娠したことを知らされていたら産んでほしいと
言っていたはずだ」

「本当に……?」

「正直、まだ混乱してる。だけど、今の蓮人は俺の子どもの頃にそっくりなんだ。俺の子だとしか思えない。会ったばかりなのに、かわいくて仕方がない」

碧人は絞り出すような声でそうつぶやき席を立つと、蓮人の傍らに寄り添った。

「さっくー」

近くに碧人が来たのがうれしいのか、蓮人は両手を差し出し甘えた仕草を見せる。

「え……」

碧人は困ったように美月に顔を向けた。

「抱っこ、してほしいみたい」

もともと人懐こく〝サック〟が大好きだとはいえ、初めて会ったばかりの碧人に蓮人は抱っこをせがんでいる。

やっぱり親子。会ったばかりなのに通じ合うものがあるのかもしれない。

「きゃーっ」

碧人に抱き上げられた蓮人ははしゃいだ声をあげる。

身長百六十センチの美月よりも二十センチは高い碧人。見る景色も違って楽しいのだろう。

碧人も幸せそうに頰を緩め、笑っている。

よく似た笑顔が目の前に並んでいて、泣きそうになる。

「ごめんなさい」

美月は自身の身勝手な思いでふたりを引き離していたことに、胸が痛むのを感じた。

「ミルクの残りを飲んでしまおうか」

碧人は蓮人を胸に抱いたまま、椅子に腰を下ろした。

「美月」

碧人の声に、美月は力なく顔を向けた。

「俺に責任を取らせてもらえないか?」

「え?」

語気の強さに美月は息を止める。

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