無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
「俺のせいで二度も人生が変わって、本当なら俺に会いたくないだろうし恨んでいるかも知れないが、蓮人への責任を俺にも分けてほしい」

「会いたくないなんて思ってません。それに恨むなんて、全然そんなこと……」

「だったら、蓮人のことを知らせてほしかった。俺がドルフィンライダーになったこと、知っていたんだろう? だったら連絡する方法はあったはずだ……い
や。そうじゃない。ごめん。責めるつもりはなくて」

碧人は蓮人を抱きしめ、深いため息を吐く。

「自分の子どもがこんなにかわいいって思わなかったんだ。この温かさを一生知らずにいたかもしれない、それにこんなにいい子に育ててくれた美月の苦労を一
生知らないままだったかもしれないと思うと、ぞっとする」

「ごめんなさい」

父親には子どもの存在を知る権利があると、家族から何度も言われていた。

蓮人とブルーインパルスの映像を観たりSNSで碧人の近況を知ったりしていた時、連絡しようと考えなかったわけでもない。

けれど、高校時代からドルフィンライダーになるという夢に向かって努力しそれを現実にした碧人の足を引っ張りたくなかった。

そしてラストフライトの日に見たあの女性と幸せな人生を歩んでいると知って、連絡を取らないと決めたのだ。

「あの、碧人先輩」

あの女性の存在を無視するわけにはいかない。

美月は思いきって切り出した。

「ラストフライトに来ていたあの女性は――」

「でも、こうして美月と蓮人に会えた」

力強い碧人の声に、美月のか細い声はあっさり遮られた。

「ここで働いてるなら、小松に住んでるんだよな? 俺の家もここから近い。もちろん美月が嫌なら無理にとは言わないが一緒に住んで蓮人を育てたい」

「一緒に住んでって、それは、あの」

唐突な申し出に、美月は目を瞬かせた。

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