無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
戦闘機パイロットの免許を得てからは、その憧れを現実にしたくて訓練に励み、飛行技術を磨き続けた。

そしていよいよブルーインパルスのパイロットとしての時間が始まった時には、もしかしたら自分の姿が美月の目に留まるかもしれないという期待が胸に溢れた。

もともとドルフィンライダーになりたいという夢は強かったが、それ以上に自分のことを美月に気づいてほしいという気持ちの方が強かった。

それが任務のひとつとはいえ苦手な写真撮影や取材に応じていたのは、すべて美月に見てほしかったから。

そしてどんな形ででも連絡があればと願っていた。

けれどその願いは叶わないまま任期を終え、新しい場所に移った。

小松基地に赴任してから半年。

碧人はF―15戦闘機パイロット、通称イーグルドライバーとして緊張感を抱えた日々を送っている。

防衛大学校卒業後、数年にわたる教育課程を経て航空自衛隊パイロット資格であるウィングマークを取得し、その後のF―15の戦闘機操縦課程終了後に配属されたのも小松基地だった。

松島基地に移るまで任務についていた基地では、離れていた三年の間に異動や退職でパイロットの顔ぶれにも変化があったが、今もなつかしい面々が多く在籍していて、以前のリズムを取り戻すのにそれほど時間はかからなかった。

小松基地は戦闘機部隊が所在する基地の中でも日本海側に置かれたただひとつの基地。

間に日本海を挟んで外国と近距離にあることから対領空侵犯措置の任務を与えられ、国籍不明機の警戒に当たっている。

島国である日本は四面が海に囲まれていて、外敵の脅威から守り続ける体制が不可欠。
 
国民の命や財産を守るために、二十四時間警戒を続けている。 

〝確実に速く〟

日々の訓練や実践の中で、碧人が何度となく自身に言い聞かせるフレーズだ。 

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