無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
どの写真も碧人の生き生きとした瞬間が切り取られていて、以前からよく名前を目にしている木島忍というカメラマンの愛情すら感じた。

中でもまっ先に目を引いたのが、花束贈呈のシーン。

任期を終えてホッとしたのか、碧人は柔らかな笑みを浮かべ花束を受け取っている。

親しげに視線を絡ませ合うふたりから滲み出ている深い絆。

やはり彼女は碧人にとって大切な人。

そう察したと同時に、碧人と一緒に暮らすわけにはいかないと美月の気持ちは改めて大きく傾いた。

とはいえ。

「れん君、ゆっくり降りてこいよー」

「はーい」

滑り台の上から下で待つ碧人に力一杯手を振っている蓮人の姿を見ると、その気持ちが揺らぎそうになる。

蓮人と碧人があっという間に距離をつめ、仲良くなったからだ。

三人で会うのは二回目の今日、碧人の車で最近できた人気の公園にやってきた。

保育園のママたちの間で評判の無料施設で、美月も興味があったが距離があり車がないと大変そうなのであきらめていた。

けれど今朝車で美月たちを迎えに来てくれたと知って、行ってみたいと提案してみたところふたつ返事でOK。

蓮人だけでなく碧人も公園に着くなり走り回っている。

その姿はまるで親子のようで……というより、本当の親子だとしか思えないほど仲が良く、楽しそうだ。

それだけじゃない。

昨日のことを思い出して、美月は表情が強張るのを感じた。

国籍不明機が日本海側の領海内を許可なく航行し、自衛隊機がスクランブル発進したのだ。

初めてのことではないが、ニュースでそれを知った時、全身から血の気が引くような気がした。

該当する時刻に碧人は基地にいたはずで、もしかしたら現場に向かったのは碧人かもしれない。

碧人はイーグルドライバーだ、その可能性は高い。
 
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