無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
碧人がブルーインパルスの一員だった時には感じなかった恐怖を知って、そばにいたいと強く感じたのだ。
 
実際はどうだったのか気になって仕方がないが、仕事のことはいっさい答えられないはずで、困らせるわけにはいかない。
 
碧人は今こうして蓮人と笑い合っている。それがすべての答えだと納得するしかない。

「さっくー」

甲高い声にハッとし顔を上げると、蓮人が腰を下ろし滑り台から飛び出した。

勢いがついた蓮人の身体は、速いスピードで一気に滑り落ちていく。

「きゃーっ」

蓮人の弾けるような明るい声が、ざわめく公園に響き渡る。

「とうちゃーく」

下で両手を広げて待っていた碧人が、蓮人に負けない大きな声をあげ受け止めた。

「上手く滑られるようになったな。怖くなかったか?」

「ううん。おもしろい。もういっかいっ」

蓮人はすくっと立ち上がり、碧人に上目使いでおねだりする。

初めて来た公園の滑り台に夢中で、子ども達の順番待ちの列に何度も並び直しては滑り続けている。

「もう一回は今度にしようか。他にも滑りたいお友達がいっぱいだからな」

「えー」

碧人に抱き上げられた蓮人は、拗ねた口ぶりでそう言ってぶんぶんと首を横に振る。

「蓮人……」

初めて見る蓮人の顔に、美月は目を丸くする。
いつもなら聞き分けよく「はーい」と返すところを、碧人にはぐずぐず言っている。

「また一緒に来よう」

「いっしょ?」

探るような蓮人に、碧人はニッコリ笑いうなずいた。

「いいよ。いっしょに、くる」

蓮人はあっという間に機嫌を直し、勢いよく碧人の首にしがみついた。

「蓮人はいい子だな。また一緒にこような」

蓮人は顔をくしゃくしゃにして笑い、いつもの何倍も大きな声で「はーい」と答える。

「さすがれん君。いい返事」

「へへっ」

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