無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
蓮人は碧人に褒められ、どうだとばかりの笑顔を美月に向けた。

「ままー」

つられて振り返った碧人も、穏やかな笑顔を美月に向けた。

並ぶ碧人と蓮人の顔。あまりにもそっくりで、そのことに気づくたび息が止まりそうになる。

十人いれば十人ともふたりが親子だと答えるに違いないほど、ふたりはよく似ている。

そんなふたりを引き離していた自分の罪深さに、美月の胸に鈍い痛みが走る。

それに、戦闘機パイロットの碧人がこうして笑っているのも当たり前のことではないと思い出して、切なくなる。

そして同時に、一緒に暮らすという選択肢を捨てきれずにいる自分に気づく。

「まま、おなかすいたー」

蓮人の声が愛おしい。

「美月」

ふたりそろって美月を手招いている。

「あ……はい。今行きます」

美月は三人でいられる幸せをかみしめながら、ふたりのもとに駆け寄った。

「あ、あの。蓮人重いですよね。代わります」

ふたりに追いついてすぐ蓮人を引き取ろうと美月が手を伸ばすと、碧人はあっさり首を横に振った。

「これくらい、全然。普段の訓練に比べたら余裕」

肩をすくめ、蓮人の頰を優しくなでる。

「きゃはー」

蓮人はくすぐったいのか身をよじり、笑い声をあげた。

「子どもに慣れてますね」

蓮人とはしゃぐ姿を見るたび、そう感じていた。

「慣れてる慣れてる。子育てなら経験済み」

碧人は駐車場に向かいながら、苦笑する。

「えっ?」

美月は声を詰まらせた。

まさか蓮人以外にも子どもがいるのだろうか。
「ああ、違う。親戚に子どもが多いんだよ。仙台にも従姉妹一家が住んでいて今年小学校に入学した双子の甥っ子の面倒を三年間見ていたんだ」

「そうなんですね」

美月はホッと息をついた。

「双子って大変ですね」

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