無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
謝罪合戦を終えた両親たちはそれですっきりしたのかあっという間に距離をつめ仲よくなっていた。
そのことに感謝して、この先三人で幸せに暮らしていく。
それが心配をかけた家族への罪滅ぼしかもしれない。
「そういえば、碧人先輩のお母さん、キャビンアテンダントだったんですね。背が高くて顔立ちも華やかだし、聞いて納得しました」
気づけば今にも身体が触れ合いそうな距離に碧人がいる。
美月は緊張をごまかすように明るく問いかけた。
「なんだ、また碧人先輩に戻るのか?」
「え?」
「昼間は〝碧人さん〟だったのに、また先輩呼び?」
碧人は大袈裟に眉を寄せ、美月の顔を覗き込んだ。
「それは、家族の前で先輩はおかしいかなと思って……」
目の前に迫る碧人の端整な顔に、美月は目を泳がせた。
「結婚するんだし、そろそろ先輩呼びはやめないか?」
碧人は美月の目を追いかけながら、困ったように問いかける。
「わかりました。えっと……あ、碧人さん」
頭の中では何度もそう言っていたが、実際に口にすると照れくさいし緊張する。
「やっぱりその方が家族って感じがしていいよな」
「家族……」
その言葉に小さく反応して、美月はうつむいていた顔を上げた。
「まだ結婚したわけじゃないが、美月と蓮人は俺の家族ってことだな」
「本当に結婚してもいいんですか? あ、いえ。なんでもなくて」
思わず零れた言葉を、美月は慌ててごまかした。
「結婚がどうかしたのか?」
「いえ、気にしないでください」
「美月?」
不安そうに顔をゆがめる碧人に、美月は小さく顔を横に振る。
「私はただ、碧人せ……碧人さんは蓮人と私と一緒に暮らしたいだけで結婚を考えているとは思っていなかったので。だって、碧人さんは一度も……いえ、今はそのことは」