ゲーム課金と不運な私

失恋とザイル？

学校帰り。本当に一日中一緒にいる。
「バドゥ様！見て！お花いい匂い❤︎来てください！ふふっ」私は花が好きなのでこの時は自然に笑顔になった。ま、無視されるけど。
そういえばみんなには伝えていなかった。実はここにいるのは…3人なのだ。嫉妬したザイルがついてきて後ろでひたすら私が好きと言ったものをメモしている。「ちょっとザイルここまでにしてもうついてこないで！」私が言ったあとザイルはしょぼんとしもうついてこなかった。少しかわいそうだけど。
途中から雨が降り始めた。するとバドゥ様は帰ろうとしていた。「もう帰るんですか？
今日楽しかったですか？」バドゥ様は振りかえり、ゴミを見る様な目で「全く楽しくなどなかった。つまらなくてあくびが出るわ」
バドゥは帰って行った。振り向かず自分の傘を差して。
（なによ！最低、最低最低最低最低最低！）
会社で働いていた時と同じ。『お前迷惑なんだよ』『もう辞めればーははっ』『お節介者』推しでも異世界の中で生きている一人の人間なんだ。そうゆう感情があるのは仕方ないよね。【ポタポタ】あれ？私泣いてる
嗚呼、今まで誰かに慰めて欲しかったんだ
「うっうっ、うわーん」傘のない私は雨に濡れながら一人で泣き喚いていた。
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ザーーーッ　【たったっ】あれ雨が、
止んだ？違う誰かが傘を差してくれている。「大丈夫？」この声、知ってる。
「ぐすっぐすっ、ぐすっぐすっ」
今日置いてっちゃった。ものすごく綺麗な顔。夕方の夕日と重なって、まるで王子様じゃない。金色の髪•宝石の様な赤い瞳•190㎝程のみんなが羨ましがるほどのスタイル。
知ってる。知ってるよ、「うっうっ、いつも突き放して、置いてっちゃってごめんね」
ほら、少し話しかけるだけでこんな優しい顔するんだから。「無理に喋らなくても…え？」私はザイルに抱きついた。いつもの私だったら絶対にしない。でも、今日はこういう状況だから。こうさせて、あなたが好き。



　　　　　　
　　　　　　　「ザイル」