パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 恋をしてみたいと思わないわけではないけれど、淡い想いを抱いても、それを心の内に思い留めることに慣れてしまい、今まで来てしまった。

 だから、目の前のふたりはちょっと羨ましくもある。
 困難を乗り越えてまで付き合うなんて、なんてロマンチックなんだろう。

 大雅と由芽さんにとって、ふたりでいられる時間はわずかだ。
 やっぱり、邪魔するのは悪いよね。
 そう思い、私はそっとその場を離れた。


 基地にはまだ続々と人が入場しているようだ。

 ふたりに気を使わせないよう、できるだけ離れようと思い、私は人の流れに逆らいながら歩いた。するとだんだんと、人混みに耐えられなくなってきた。

 ギラギラとした日差しも降り注ぐ今日、人混みのなかでは汗やタバコ、香水などの匂いがする。私はそれで、余計に顔をしかめた。

「うう、ふらふらする」

 どうやら人ごみに酔ってしまったらしい。これ以上、ここにいるのは無理だ。私は気持ち悪さを抑えながら、人の少ない場所へととぼとぼ歩いた。
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