パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「もう少し丸みを帯びていたら、もっと似てるぞ」

 伊澄さんがそう言って、琉星の石の上部を指差した。

「まるみをおびるって、なに?」
「こういう形ってことだ」

 息子の疑問に寄り添うように、伊澄さんが石をなぞるように丸く指し示す。

「わかった!」
「似てる石を見つけたら、ぜひ教えてくれ」

 琉星が元気に答え、伊澄さんが優しく笑う。そんなやりとりをするふたりを見て、はっとした。
 ふたりが似ているのは、親子だから。だからこそ、彼を巻き込んではいけないと思っていたのに。

 淡い未来を抱いてしまった自分に嫌気が差す。
 なんともやりきれない気持ちでいると、夕方の鐘が公園内に響いた。もう、帰る時間だ。

「もっとあそびたかったー」

 家路を歩きながら、瑞月がそう言って唇を尖らせる。
 子どもたちの手前「そうだね」と同調したけれど、私は今日が終わったことに安堵していた。

 これ以上彼の隣にいては、また彼との未来に期待してしまいそうだ。
 それに、伊澄さんだって子どもたちのために来てくれたのだ。これ以上は、ご迷惑をかけるわけにいかない。

 彼とは、もう会わない。
 手をつないで前を歩く三人の背中を見ながら、そう心に決めた時だった。

「じゃあ、ママに聞いてみようか」

 不意に伊澄さんがそう言って、こちらを振り返った。
< 114 / 292 >

この作品をシェア

pagetop